まず、最初に一番お悩みの部分を解決します。検査を行ったあと、内容によってはそのまま最終的な治療になりますが、通常は応急処置を行うことになります。
検査が終わり次第、カウンセリングを行います。治療のゴールはさまざまな形があるので、ここでしっかり患者様と歯科医師でゴールの共有をすることが大切です。
実際の治療の段階に入ります。歯の治療には大きくわけて、虫歯の治療と歯茎の治療にわかれます。その他、ホワイトニング、矯正、インプラント、入れ歯の治療も必要に応じて行っていきます。
歯周治療とは、歯の周りについた汚れを掃除することです。歯周治療をしっかり行わないと、歯周病が進行して、歯がグラグラしたり、虫歯などの治療もしっかりできないので、歯の治療と歯周治療は平行して行います。
歯科医院で綺麗にし終わったあとは、ご自身のブラッシングでしっかり管理していきましょう。
治療が終われば終わりではなく、始まりです。
今の状態を維持するために、病院にいくということ。
車にも車検があるように、長く歯を使うためにはメインテナンスは必須です。定期的な当院への来院をおすすめします。
ご参考までに、歯周病治療とメインテナンスの効果を示す有名な論文をご紹介いたします。
Beckerらの研究によると、歯周病の患者を次の三つのグループにわけ、5年後の歯の状況を調査したところ
グループ1 歯周病治療とメインテナンスをまったく行わなかった
グループ2 歯周病治療とメインテナンスを行わなかった
グループ3 歯周病治療とメインテナンスを行った
5年後、歯の喪失本数は次の結果になりました。
グループ1 平均1.8本の喪失
グループ2 平均1.1本の喪失
グループ3 平均0.5本の喪失
つまり、この論文によれば、歯周病治療とメインテナンスをしっかり続けると、何もしないのに比べ、歯の喪失を約1/4まで抑えられることを示しています。
(参考文献)
Becker W, at al. Untreated periodontal disease : a longitudinal study. J Periodontol. 1979 ; 50 234-244.
Becker W,et al. Periodontal treatment without maintenance. A retrospective study in 44 patients. J Periodontol. 1984 ; 55 :505-509.
Becker W, et al. The long term evaluation of periodontal treatment and maintenance in 95 patients. int J Periodontics Restrative Dent, 1984 ; 4 : 54-71.